20年ぶりのピアノ

5歳から20歳までつづけていたピアノ。
もともとは父に勧められて弾いていましたが、小学生のころは大嫌いでした。
できないことを何度も練習する作業はめんどうで、なんでこんなことをしなければならないのかと思っていました。

 

それでも、父の希望で弾き続けたピアノは短大卒業まで続きました。
こんなに長く弾いていたのだから、わが子に童謡やクラシックを弾いて聞かせたいと張り切っていたのですが、生まれてきたのは三人とも男の子。
私が楽器を弾くのも煩わしそうにしているし、自分が弾くつもりなんて全くないので、次第にピアノから離れ埃をかぶったままになっていました。

 

そんな長男が大学生になり、ピアノが必要な職種を選ぶことになりました。
全く弾けない状態から付け焼き場でのピアノですから、当然楽譜通りに弾くことはできません。
困り果てている長男に、簡単な伴奏に楽譜を書き直してやり、どんな曲か弾いてみせ、指使いを教えてあげることができる、私のピアノの腕は20年たってようやく役に立ったのでした。

 

小学生だった頃の私に教えてあげたい、あなたのピアノはずーっと将来、とっても役に立つのよと。
そうしたら、もう少し一生懸命練習できたかもしれません。